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■■        環境社会学会メールマガジン     ■■
                       第114号 2008/2/20
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               目次
■ 修士論文発表会(特別研究例会)のお知らせ
■ 公募情報(1件)

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┃■┃ 修士論文発表会(特別研究例会)のお知らせ
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 2007年度環境社会学会特別研究例会「環境社会学・修士論文発表会」を下記の
とおりキャンパスプラザ京都で開催します。

 環境社会学にかかわる修士論文の成果を発表していただき、じっくり議論がで
きる場にしたいというのが本研究例会の趣旨です。毎回刺激的なコメントが飛び
交い、発表者、聴衆の双方にとって新たな発見や解釈がもたらされる充実した集
まりになっています。大学院生の皆さんにとって貴重な意見交換や交流の場とな
るとともに、すべての研究者にとって意義深い討論の場となることと思われま
す。どうぞ奮ってご参加ください。

日時: 2008年3月8日(土)10:30〜16:30

場所:キャンパスプラザ京都(JR京都駅ビル駐車場西側)4階第4講義室

   (http://www.consortium.or.jp/campusplaza/guidance.html)

主催=環境社会学会

企画担当=箕浦一哉(山梨県立大学)+秋津元輝(京都大学)

<プログラム>

■開会の挨拶・事務連絡(10:30〜10:35)

■第1部(10:35〜12:20) 司会=荒川康(兵庫県立大学)

▼第1報告(10:35〜11:10)

小障子正喜(滋賀大学大学院)
日本のディープ・エコロジー
—前田俊彦の環境思想—

○ 要旨:
 本論文は、ノルウェーの哲学者であるアルネ・ネスが提唱するディープ・エコ
ロジーという環境思想の下に、日本の市民運動家であり思想家である前田俊彦の
思想を読み解く試みである。
 ディープ・エコロジーは、環境問題の解決のために、人々の価値観や世界観を
転換する必要性を訴えるラディカルな思想である。一方、前田は環境問題の発生
原因を資本主義経済下の商品としてのモノの生産のあり方に見出している。彼は
「つくる」という行為を見直し、新たな生産のあり方を提言する。
 ディープ・エコロジーは、日本において広く浸透している思想とは言い難い。
日本における環境問題の解決方策は、行政や企業の努力によって政策的あるいは
技術的な対応をはかることや資源の再利用またはごみの減量などに重点があり、
人間の内面や行為を見直すという思想的視点はけっして強いとは言えない。
 本論文では、前田俊彦の思想を再考することで、思想の観点から環境問題を捉
える重要性を提起したい。
(キーワード:ディープ・エコロジー、つくる、価値観の転換)

▼第2報告(11:10〜11:45)

平井勇介(早稲田大学大学院)
生活実践からみた自然再生事業の環境社会学的考察

○要旨:
 本論文は、近年盛んにおこなわれてきている自然再生事業を生活者の立場から
考察するものである。本論の全体を貫く問題関心は、自然再生事業における「生
態学的価値の優位性」と「平等主義的な傾向」という特徴を生活者の視点から批
判的に検討することを通じ、自然再生事業に新たな視座を提示することである。
 「生態学的価値の優位性」とは、「地域の固有性を尊重する」と謳う自然再生
事業であっても、「生物多様性の確保」(生態学的価値)を第一とした強固な価
値付けが事業を規定しているという特徴である。一方、「平等主義的な傾向」と
は、自然再生事業への参加主体には徹底的な公正性を確保しようとする特徴であ
る。この特徴は、自然再生事業への積極的な参加意向を示す主体を広く受け入れ
ようとする志向性と親和的である。こうしたふたつの特徴に対して、現在自然再
生事業がおこなわれている、ふたつの事例調査で得られた知見から検討を加えて
いる。
(キーワード:自然再生事業、生態学的価値の優位性、平等主義、空間管理、意
思決定)

▼第3報告(11:45〜12:20)

佐藤悠(法政大学大学院)
人的資本が生み出す里山の公益
−図師小野路歴史環境保全地域における伝統的技法を用いた
 里山保全活動の実践から

○ 要旨:
 本稿の目的は,二次的自然である里山の保全活動に焦点を当て,人間がより良
い環境を「作り出す」には,環境にかかわる人間に何が必要とされるのかを明ら
かにする点にある。そのための事例分析を,東京都町田市にある図師小野路歴史
環境保全地域における里山保全活動を対象に行った。
 その結果として,まず里山保全活動とは,人が常に自然にはたらきかけること
で,その特有の自然環境を不断に作り出し続ける創造的営みであり,そうした自
然環境を作り出し続けるには,保全活動の担い手が技能という人的資本を保有し
ていること,その人的資本が土地に定着していることが重要であることを明らか
にした。
 そして,この保全地域では,人的資本の定着を可能とするために,行政が里山
特有の生物多様性の豊かさを公益と捉え,保全活動の担い手たちを公益の生産者
として位置づけてその制度的基盤を整えたことが,この保全地域における里山保
全の成功の要因にあることを明らかにした。
(キーワード:里山、人的資本、定着、生物多様性の豊かさ、公益の生産)

◇休憩(12:20〜13:15)

■第2部(13:15〜15:00) 司会=足立重和(愛知教育大学)

▼第4報告(13:15〜13:50)

米良重人(山梨大学大学院)
地域福祉における市民の参加と連帯
−NPO法人MOMOを事例に−

○要旨:
本研究の目的は、地域福祉において神奈川県厚木市を中心に活動しているNPO法
人「MOMO」の実態調査と、市民の参加と連帯による市民自治の可能性を明らかに
することである。MOMOは主に、高齢者の生活支援付き入居施設などの高齢者支援
の事業を行う市民事業体である。活動のメンバーは、1982年の「生活クラブ生
協」による生協運動から「神奈川ネットワーク運動」による代理人運動、「ワー
カーズ・コレクティブ」などの市民事業へと市民自治の運動を継続してきてい
る。MOMOはこのような市民自治の運動の流れの中、設立された。活動理念や労働
形態において「自己決定・自己責任」、「公共的利益の実現」など見られ、市民
自治的要素を持っている。このMOMOが地域の課題に対して、市民によって資金を
出し合って(市民資本)サービスを生みだしたり、代理人を使って政策提言をし
たりするなど地域福祉の充実に寄与している。またこのような福祉の実践によっ
て、地域内外に連帯というのもが広がっている。そしてこのような重層的連帯に
よって市民自治領域も広がっている。
(キーワード:市民、参加、連帯、自治、地域福祉、公共生)

▼第5報告(13:50〜14:25)

矢澤和河(北海道大学大学院)
森林NPOがとった砂利採取事業への無回答の意味
—北海道白老町における森林NPO の活動から—

○ 要旨:
 本研究は北海道白老町において活動する森林NPOを対象とする。この団体は、
不在地主化した周辺の土地の森林管理や河川沿いのフットパス(自然歩道)整備等
の活動を展開し、地域社会の中での認知を得てきた。このプロセスは、一見、地
域社会の中で環境とかかわるレジティマシー(正統性/正当性)獲得のプロセス
のように思われる。しかし、この団体の近隣で計画された砂利採取事業におい
て、事業者側から砂利採取への理解を求められたことをきっかけに、その対応を
めぐり団体内での議論が生じた。そして、団体では「自然環境の保全」と「地域
のアクターとの関係の保持」という二つの方針をめぐって議論が重ねられた。そ
の結果、団体では最終的に「回答できないことが結論」という回答が出された。
 この回答からは二つの点が指摘できる。一点目は、団体があえて保留という回
答をすることで分裂を回避し、活動の継続性を確保したこと。二点目としては、
レジティマシー獲得のプロセスを見る上では、活動主体が葛藤する中で、どのよ
うな戦略を選択するかに注目する必要性があげられる。
(キーワード:環境保全活動、レジティマシー、認知と承認)

▼第6報告(14:25〜15:00)

宇田和子(法政大学大学院)
カネミ油症事件における行政組織の問題放置のメカニズム

○要旨:
 本稿は、カネミ油症事件の発生と複雑化の因果関係を解明し、そこから政策的
教訓をくみとろうとする試みである。方法として、歴史の再構築のために現地で
の聞き取り調査や裁判資料の読み込みといった質的調査を行い、分析のために被
害構造論の視点や組織の戦略分析の視点を用いた。事実経過を追うと、行政組織
による放置が被害を社会的に増幅させていることや、被害者が幾層にも分岐して
おり、潜在的被害者が多数存在することがわかった。旧厚生省と旧農林省は、問
題変容に伴う政策転換を行わず、社会的文脈を硬直化させていた。その結果、個
々の対処はあっても中身は空洞化しており、総体としては「放置」が行われた。
その背後にあるのは、「役割の放棄」や「判断基準の転嫁」といった官僚制の逆
機能である。その克服のために、予兆的事例が発生した際の「周辺リスクへの対
処原則」と、ある事業を遂行したり問題に対処したりする際の「見届け原則」
を、今後必要とされる政策理念として提言する。
(キーワード:官僚制、放置、社会的文脈の硬直化、役割の放棄、判断基準の転嫁)

◇休憩(15:00〜15:10)

■第3部(15:10〜16:20) 司会=帯谷博明(奈良女子大学)

▼第7報告(15:10〜15:45)

佐久間香子(北海道大学大学院)
ボルネオ島中央部における森と人の社会空間
——自然資源をめぐるブラワンとプナンの関係誌——

○要旨:
 本論文では,東マレーシア・サラワク州北部のバラム河上流域に位置するグヌ
ン・ムル国立公園(世界自然遺産)と,その周辺のブラワン(Berawan)とプナ
ン(Penan)の居住地(定住地)を含めた地域を「社会空間」として捉えて研究
の対象とする。その空間というのは,国立公園の設置を契機にしたブラワンの移
住とプナンの定住によってできた社会的構築物である。論文の主たる目的は,こ
れまであまり省みられることのなかったブラワンという小規模集団に焦点を当
て,彼(女)らの社会空間論的モノグラフを記述することにある。生活に利用し
ていた森林の国立公園化と観光開発というモダニティの状況下において,ブラワ
ン社会を取り囲むムルの自然環境とプナンとの関係性およびその変化を人びとの
生活の場から,フィールドワークと文献資料をもとに明らかにする。加えて,プ
ナンをこの地域の「真正な住人」とする一方で,ブラワンをその「侵略者」たら
しめてきた,他者表象の内包する暴力性も考察の対象とする。
(キーワード:社会空間,国立公園,ブラワン,プナン,モダニティ)

▼第8報告(15:45〜16:20)

森明香(一橋大学大学院)
ダム計画をめぐる生活史
—積み重ねられた時間を聴く—

○要旨:
 本研究は、完成予定の目途が立たないダム計画下での水没予定地住民の生活を
掘り起こすことを目的としている。完成予定の目途が立たないダム計画とは、文
字通り完成する目途が立っていないダム計画のことを指し、計画に関する広範な
合意形成が取れていない現実の帰結として存在するものである。完成予定の目途
が立たないダム計画の下での生活とは、「いつか水没する日が来る」ことを頭に
描くことを余儀なくされ、さらに人びとが将来設計を立てることを阻む作用を持つ。
 これまで開発問題に関する研究は、数多く取り組まれてきた。しかし、開発が
発表されてから数十年を経て今なおその先行きが不透明な開発の持つ問題性につ
いて言及した研究は、ようやく途についたばかりである。
 本研究は、そうしたダム計画の一つである川辺川ダム計画を取り上げ、水没予
定地住民の生活史を辿りながら、完成予定の目途が立たない大規模開発下での生
活の実態を描き出すことを試みる。その結果、先行きのわからない計画下でも主
体的に行動する水没予定地住民と、他方で完成予定の目途が立たないダム計画が
もたらす弊害を描き出すこととなった。
(キーワード:大規模開発、完成予定の目途が立たない、水没予定、生活史)

■講評,閉会あいさつ(16:20〜16:30)

■終了後,懇親会を予定しています。

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┃■┃ 公募情報(東京農工大学大学院農学府)
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1. 公募する教育研究分野:共生人間学(フィールドワークなどに基づき、人
間と自然との共生に関わる地域の文化や科学・技術の社会的あり方を究明する教
育研究領域)
    (*所属先となる共生持続社会学専攻および地域生態システム学科の内
容は、本学ホームページhttp: //www.tuat.ac.jpで、農学府共生持続社会学専攻
および農学部地域生態システム学科の項をご覧下さい。)

2. 主な担当予定授業科目
共生技術社会論(大学院科目)、 風土・人間・社会論(学部科目)、
生業民俗学(学部科目)、社会学又は総合政策論(教養科目)、
共生人間学特別演習(大学院科目)、地域生態システム学演習(学部科目)、
卒業論文指導・修士論文指導など。
その他、関係する専門教養科目や、連合大学院(博士課程)担当の場合に関係の
科目(集中講義)を担当いただくこともございます。

3. 職名・人員:講師  1名

4. 任用予定日:平成20年4月1日以降

5. 公募する専門分野に関わる学問領域:
   民俗学・人類学・社会学のほか、地域文化や科学技術社会論に関係するそ
の他の各領域(科学史・技術史、科学技術思想や農学系関連分野など)

6. 応募資格
(1) 博士の学位を持つ者、またはそれと同等の業績を有する者
(2) フィールドワークなどに基づき人間と自然との共生をめぐる地域の文化
や科学・技術の社会的あり方について考える教育・研究の実績を持つ者。または
それと同等の能力を有する者。
(3) 教養教育を含む大学教育及び上記担当予定授業科目に情熱をもって取り
組める者
(4) 年齢は40歳程度までが望ましい
(5) 遅くとも平成20年10月1日までに着任可能な者

7. 応募書類等
(1) 履歴書(写真貼付)      1通
(2) 研究業績一覧         1通
(研究業績は、�著書、�研究論文、�その他の論文、�翻訳、�解説、�評論などに
分けて記載して下さい。また、各業績には、著者名、題名、収録雑誌・書籍、出
版社、収録頁数、発行年を記載して下さい。)
(3) 主な研究論文の別刷又はコピー   3点以内
(4) これまでの研究内容の概要(2000字以内)  1部
(5) 着任後の教育と研究に関する抱負(2000字以内)1部
*応募書類の書式は問いませんが、A4用紙に上記項目ごとに整理して下さい。
なお、応募書類は返却できませんので、ご承知おき下さい。
また場合によって後ほど研究論文等の全業績資料を送付いただくこともございま
す。
選考の最終段階で面接を行う予定です。

8. 応募締め切り
  平成20年3月31日(月)当日消印有効

9. 応募書類送付先
183−8509 東京都府中市幸町3−5−8
         東京農工大学大学院農学府
               共生持続社会学専攻亀山純生気付
           「共生人間学」教員選考委員会
*封筒表面に「教員応募書類」と朱書の上、簡易書留郵便にて送付して下さい。

10.連絡先
 183−8509 東京都府中市幸町3−5−8
          東京農工大学大学院農学府共生持続社会学専攻
                      亀 山 純 生
             電話    042−367−5587
             e−mail:kameyama@cc.tuat.ac.jp

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□発行 環境社会学会 会長・長谷川公一(東北大学)
               事務局
                 〒194-0298 東京都町田市相原町4342
                 法政大学社会学部 堀川三郎
                 E-mail: office@jaes.jp
□編集  藤村美穂(運営委員 佐賀大学)
□メールアドレス・住所・所属など個人情報の変更、メールマガジン掲載依
頼、その他のお問い合せは、学会事務局までお願いいたします。
□年会費の振り込みは、郵便振替口座:00530-8-4016 口座名:環境社会学会
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